八ヶ岳 阿弥陀岳(2,805m) 北陵
平成24年03月10日(土)〜11日(日)

 10日美濃戸は雪がモサモサ・・・雪崩ヤバくない?  心配していたが、雪も止んで薄日が射してきた
   
 次回のため、石尊稜の取付を確認に行くが、雪が深くて断念  赤岳鉱泉の夕食・・・ステーキだぞ〜
   
 11日朝、行者小屋からの阿弥陀岳。目指す北陵が見える  雪煙のあがる赤岳・・・既に文三郎道に人が見えた
   
 樹林帯を抜けたところ  ここからはスッキリした雪稜を辿る
   
 第一岩稜下の雪壁  第二岩稜を登る先行パーティー
   
 マルさん  この短いナイフリッジを通過して登攀自体は終了
   
 阿弥陀岳山頂・・・・宿題提出です  雪崩の危険が高いため、同ルート下降とした
   



日  時     平成24年03月10日(土)〜11日(日)
参加者     マルさん(新潟クライミングクラブ)
         akiちゃん(新潟山岳会)

         LTQ(下越山岳会)・・・ボク
行き先     八ヶ岳  阿弥陀岳 北陵
天 候      10日(土)雪後曇り 11日(日)快晴後高曇り
装 備     冬山日帰基本装備+登攀用品
通信用具   無し
ナビ用品   地図 コンパス 

防寒具     冬ジャケット
その他     ストック
飲み物     水 1L・紅茶
食料品    調理パン
その他    

コースタイム 事柄 備考
03月10日
10時30分 美濃戸口発 (1,500m)
11時20分 美濃戸 赤岳山荘着(1,690m)
11時41分 美濃戸 赤岳山荘発
12時45分 堰堤広場着(1,949m)
13時06分 堰堤広場発
14時10分 赤岳鉱泉着(2,220m)・・・・この後、石尊稜の取付きを観に行くが雪が深く途中で断念。
17時00分 食事

21時00分 就寝

03月11日
05時30分 起床
06時10分 食事
07時00分 赤岳鉱泉発(2,220m)
07時25分 中山乗越(2,370m)
07時36分 行者小屋着(2,345m)
08時05分 行者小屋発
08時55分 ジャンクションピーク(2,520m)
09時15分 第一岩峰取付
10時52分 阿弥陀岳山頂着(2,805m)

11時20分 阿弥陀岳山頂発 同ルートにて下山開始
12時53分 行者小屋着
13時18分 行者小屋発 マルさん赤岳鉱泉にデポ品があるため赤岳鉱泉へ
13時28分 赤岳鉱泉着(2,220m)
14時04分 赤岳鉱泉発
14時52分 美濃戸 赤岳山荘着(1,690m)
15時00分 美濃戸 赤岳山荘発
15時25分 美濃戸口駐車場着(1,500m)


概要
冬の登攀のトレーニング場的な八ヶ岳南部。ボク達東北の日本海側山域をベースにするヤマ登りは、視界不良のドカ雪ラッセルというのが
定番で、あまり冬期・積雪期の岩登りというのはあまり縁がない。
しかし自分でイメージするヤマに必要な技術である。少し前からトレーニングをしている。

1月半ばにマルさんと、八ヶ岳の冬期登攀の入門ルートといわれる阿弥陀岳北陵を登りに出かけたが、前日取付を確認したがこれが
誤ったトレースで下部樹林帯で迷い込みようやく正規ルートに戻ったのが11時過ぎで、時間切れで敗退していた。
今回は前回の宿題未提出のマルさんとボクに寒さも緩んだ時期なのでakiちゃんを誘い3人ででかけた。


記録
3月10日(土)
新潟県内から高速道路で除雪車の車列に阻まれ遅々として進まず、普段は雪の無い諏訪でも雪がバサバサ降っている。
南諏訪ICで降りた後も、コンビニに寄り忘れ、戻るなどどうも調子悪い。
予定を大幅に超過して美濃戸口を出発する。
積雪量も多く、正直来てはみたものの、雪崩のリスクが高まっていて明日はどうしようか?
そんなことを思いつつ歩く。
美濃戸の赤岳山荘でも雪はバサバサ降っている。

それでも堰堤広場に着く頃には雪は小止み状態。
随分腹も空いたので食事を採る。
赤岳鉱泉が近づく頃には大同心、小同心、八ヶ岳の稜線が望めた。

赤岳鉱泉着。アイスキャンディ脇でイエティのガイドさんの福田さんを見つけて雪の状態等をお聞きする。
赤岳鉱泉に入るとイエティの代表のガイド遠藤さん、石関ガイドさんとお会いした。
早速、宿泊の手続きをしてマルさんを待つがやや体調が悪い様で遅れて到着。
マルさんには休んでもらい、石尊稜の取付きを確認にでかける。

小同心ルンゼ方向にはトレースがあるものの奥にはトレースはなく、新雪の下の雪も柔らかく晩飯までには戻りたいので早々に諦める。
大広間でビールを1本飲んでいるうちに、食事の案内。

今回の食事は・・・ステーキ♪ うひょ!
食後寝床でゴロゴロ、ウイスキーをチビチビやりながら四方山話。

今晩、雪が新たに降らなければ予定通りの阿弥陀岳の北陵で同ルート下降とした。
21時消灯。


3月11日(日)
5時前に目覚めていたもののウトウト。
窓は薄らと明るく好天を予感。
5時30分起床。窓の外は予想とおりの好天。
急いで食事の列に加わる。食事の列に並びながら、待ち時間を利用し交代でWCなど出来ることを進めておく。

食後、パタパタと準備を進めて外に出るとイエティの福田さんも準備していた。
水野ガイドさんも何処へ行こうか思案中だけど、阿弥陀北陵が無難かなぁ・・・・とのこと。
一昨年、日山協の登攀研修会でお世話になった大西ガイドは南峰リッジに行くとのこと。
皆さんお客もガイドさんも大忙しの朝。

ボク達も7時には赤岳鉱泉を出発。
気温が低く、雪がキュッキュッと鳴く。

行者小屋に着いて北陵を見上げると既に数パーティ−が登っているのが見える。トレースも見える。
いいぞ!最大の懸念は雪崩とラッセル。
ほぼこれで、ラッセルの懸念は無くなった。

中岳沢を少し登り、斜面が急になるところで、トレースは2手に分かれていた。そのまま沢身を詰め上がるトレース
もうひとつは、樹林帯に上がるトレース。
ここまで雪崩れてくるか不明だけど、無いと決めつける要素は何もない。
てんで、急な斜面を登る。
視界のきかない退屈な樹林帯を登り飽きてきた頃、樹林帯を抜けると素晴らしい展望がひらけていた。

そこから一登りでJP(ジャンクションピーク)
ここから急な雪壁となる。akiちゃんにロープを出しても良い様な気もするが、先週のアイスクライミングの登りを観た限り
問題ないと判断して折角担いできたのでWアックスで登る。
硬雪、凍った草付き等はよく効く。
急な雪壁で1パーティパスして広いテラスに出る。ここが第一岩峰の取付き。
取付きに古いピトン、壁にペツルのハンガーが見える。
5m位上にテラスがある様で先行パーティーがそこに溜まっているようだ。

そんじゃ〜そこで1P切って行くのかな?
まぁいいや
てんで、ボクのリード、確保akiちゃんでスタート
出だしこそ傾斜はあるものの、ホールドはガバ、スタンスも豊富で難しさは皆無。急な傾斜部分をポンポンと登ると
雪がでてくるので、アックスのピックを打ちながら登り、ペツルのハンガーでビレーすることにした。

後ろから来た、水野ガイド、石関ガイドは第二岩峰の直下までロープを伸ばした。
ボクの脇をガイドさん達はすり抜けドンドン進む。

ボクは、基本的に、遅いパーティは進路を譲るべきと思っている。
ガイドさん達との圧倒的なスピードの違いがあることはよく知っている。
水野さん、石関さんのお客様が通過してから動く。
中途半端なピッチを作ってしまい。岩角にロープをひっかけて岩角ビレー
傾斜の緩い広い数メートルをakiちゃん、マルさんにフリーで歩いて貰いヘンテコなピッチを終了。

第二岩峰の取付きで嫌な音が聞こえてキョロり
文三郎道を雪崩が襲っていた。
幸い登山者はいなかった。

さて、第二岩峰は傾斜の緩いフェース。
傾斜も緩いので、特に支点もない。
必要であれば、ピナクル等を利用するといいだろう。
特に支点の欲しい個所もないのでそのまま、ナイフリッジを通過して
SAでakiちゃんマルさんをビレーして登攀部分を終了。

ロープをしまい、阿弥陀岳山頂へ。
山頂で写真を撮って頂き一段低い所で一休みして下山。

ナイフリッジの終了地点の脇から支点を取って懸垂
岳樺から支点を取って2P。少しフリーで降りて第一岩峰の取付き。

むしろこの雪壁が急で降り難いし雪質も悪い。
マルさんはフリーでWアックスで降りる。

落ちても大丈夫とは思うけれど
akiちゃんをSAで確保して2Pに分けて降りる。

懸垂地点では直ぐ前に居た石関ガイドだけどこの雪壁100m強で完全に行動速度に差が開く。
しかし、ボクにこの条件でショートロープで確保することはできない。
確保技術の中でプロとアマの基本的かつ決定的な技術的な差がこれだ。
出来ないものをするワケにはいかないので、基本的で確実な技術で確保する。
これはこれで、遅い、ダサイと言われようが出来ないモノを現場イキナリするよりは確実だ。

2P降りればあとは傾斜も緩んでトコトコ降りる。
行者小屋でデポ品回収・・・・マルさんは赤岳鉱泉にデポとのこと。
そうすると、このまま南沢を下るワケにもいかない。
今回の反省点だ。


赤岳鉱泉でマルさん再パッキング。
結構、一生懸命歩いた。
赤岳山荘で遠藤ガイド、福田ガイドにお会いした。
そこからさらに歩きのボク達は25分歩いて美濃戸口のPに到着。

下山後、樅の湯で汗を流して帰途についた。


下部、樹林帯の長さからみると少し、メインの登攀部分が足りない。
登攀の胃袋は満たされずお腹は空いたまま・・・・・
でも、晴天のなか楽しいヤマでした。
腹八分目の登攀がしたいものだ・・・・

それでも、下山後美濃戸口から下ると雪が降りだした。
ボク達が登っていた朝から夕方までの快晴だった。とても幸運に恵まれた
ヤマ登りだった・・・・・・お天気と同行の皆さんに感謝の山行でした。。







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